インプラント

妊娠中でもインプラント治療は可能?その場合のリスクは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

女性は、妊娠すると様々な変化が起こります。
デリケートな時期なので、多くのことが気になるでしょう。
その時期に、外科手術を伴うインプラント治療は可能なのでしょうか?

また、もし行う場合は何らかのリスクがあるのでしょうか?
妊娠中のインプラント治療について、解説します。

妊娠中にインプラント治療を行うと?

妊娠中にインプラント治療を受けた場合、どのような影響があると考えられるでしょうか?
特にリスクとなる影響について、解説します。

まず、歯科医院で治療を受ける際は椅子を倒し、あおむけの状態で受けることになります。
通常であれば何ということもない姿勢ですが、妊婦にとってはつらい姿勢だと感じる可能性があります。
なぜなら、お腹が大きくなってから仰向けになると、その重みで内臓が圧迫されてしまうからです。
その姿勢を長時間続けると、負担はさらに大きくなり血管も抑えられて血流も悪くなるでしょう。

また、内臓が圧迫されることで吐き気を催すことも珍しくありません。
インプラント治療は時間がかかるため、妊娠中は避けたほうがいいかも知れません。
無理をすると、胎児はもちろん母体にも悪影響が生じます。

インプラント治療には、レントゲンやCTの撮影も必要になります。
なぜなら、血管や神経の位置を正確に把握しなければならないからです。
しかし、これらは微量ながら放射線が出ています。

放射線の影響が出る被ばく量は、200mSvからと言われています。
レントゲンの被ばく量は0.06mSvとごく少量なので、影響はほとんど生じないと言われています。

しかし、わずかとはいえ放射線が出るため、絶対に安全かと言われればそう言い切ることはできません。
そのため、妊娠中はレントゲン撮影を最低限にとどめておいた方が良いでしょう。

なお、CT撮影のほうがレントゲン撮影よりもわずかに被ばく量が多いと言われています。
妊娠中は、万が一に備えてなるべく避けるようにしましょう。

普通の虫歯の治療などでも麻酔が使われることはありますが、インプラント治療ではそれと比べてはるかに多量の麻酔を使用します。
虫歯治療などでは母体や胎児に影響がないといわれる麻酔も、量が増えると安心とは言えません。

また、インプラント治療は歯茎を切開することになるので、術後の細菌感染を防止するために抗生物質や痛み止めなどが処方されます。
こういった薬は胎児に影響がないと言われていますが、リスクはゼロというわけではないため避けられるものは避けておきましょう。

埋入したインプラント体が歯槽骨に定着するまで待ってから上部構造を被せることになるため、手術が終わってから半年~1年ほどの治療期間があります。
その間、定期的に歯科医院へと通わなくてはならないため、もしかしたら出産までに治療が終わらないかもしれません。

出産後は、なかなか通院する時間もないでしょう。
妊娠中は体調も崩しやすいため、出産を終えて体調が安定してから治療を行ったほうが安全です。

また、手術中の出血によって、早産を引き起こすリスクもあります。
つわりの時期は、口に何かを入れることで気持ち悪くなることもあるため、インプラント治療に必要な口腔内の衛生を保つことも難しくなるでしょう。

こういった理由から、妊娠中のインプラント治療はあまりお勧めできません。
妊娠していることがわかったら、出産を終えて育児が安定してからゆっくりと治療を受けたほうがいいでしょう。

治療を始めてから妊娠がわかった場合

インプラント治療は長期間に及ぶため、その途中で妊娠していることがわかるケースもあります。
その場合にはどうしたらいいのでしょうか?

まず、歯科医に妊娠したことを伝えてください。
それに加え、産婦人科医にインプラント治療中であることを伝えます。
どの段階まで進んでいるかによって対応は変わってくるのですが、デリケートな時期であれば一度治療を中断することもあります。

治療の途中で中断すると、歯がない状態が続いたり歯が動いたりすることを心配する人もいるでしょう。
しかし、その期間は仮歯で対応するため、見た目も問題なく、歯並びもキープできます。

治療ができない期間は、口腔ケアを丁寧に行って衛生を保ち、治療の再開を待ちましょう。
妊娠中は、レントゲンや麻酔などが胎児に悪影響となってしまう恐れがあります。

治療を中断すると不安になるかもしれませんが、子どもの安全のためなので安心して出産に備えてください。
無理は禁物なので、まずは安全を重視しましょう。

まとめ

妊娠中の女性の体は、非常にデリケートです。
例えば働く女性などは、仕事を休んでいる間に色々なことを済ませてしまいたいと考えるかもしれません。
しかし、インプラント治療は出産後、育児がひと段落してから行うことをおすすめします。
無理をして治療を受けると、母体とお腹の中の赤ちゃん両方に悪い影響が生じるかもしれないのです。
そのため、妊娠中は、できるだけ治療を避けるようにしてください。

東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。