歯を失ってしまった場合の治療方法として人気があるのが、インプラントです。
しかし、沢山の歯を失ってしまった場合、全てインプラントにするのは費用面での負担が高く、困難な方も多いでしょう。
インプラントが難しい場合は、インプラントと入れ歯を組み合わせたAll-on-4（オールオンフォー）という治療があります。
All-on-4のメリットとデメリットについて、解説します。
All-on-4のメリット
All-on-4とは、前歯から奥歯まで総入れ歯のようになっている人工歯を装着するインプラントのことです。
顎の骨に4本のインプラントを埋入し、人工歯を固定することで12本の歯を支えるようになっています。
All-on-4は、多くのメリットがある治療法です。
インプラント治療は顎の骨に穴を開けたり、骨を増やす骨造成手術が必要になったりすることがあるため、身体に大きな負担がかかります。
その点、All-on-4であれば負担を最小限にすることが可能です。
All-on-4は最小限の4本のインプラントだけ埋入するため、穴も4か所開けるだけで済み、手術の負担も少なくなります。
また、骨が十分にあるところを選んで穴を開けることができるため、骨造成も必要ありません。
全てをインプラントにするよりも、費用を抑えることができる点もメリットです。
12本の歯を4本のインプラントで支えられるため、費用を抑えられるでしょう。
インプラント治療は、顎の骨に十分な厚みや高さがないと治療ができませんが、All-on-4の場合は骨が厚い場所を選んでインプラントを埋入できるため、インプラント治療が難しい場合でも治療できる可能性があります。
また、治療期間が短いこともメリットです。
All-on-4の場合、インプラントを埋入した日に人工歯を固定できます。
インプラント治療が数か月かかることと比較すると、治療までの期間は大幅に短縮されているといえるでしょう。
All-on-4には入れ歯と違いしっかりと噛むことができるというメリットもあります。
また、入れ歯の場合、発音しにくいという人も多いのですが、All-on-4は発音に影響はでません。
入れ歯の問題点である、噛むときに痛みがある、外れやすいと言った悩みも、All-on-4で解決できます。
しっかりと固定されているため、入れ歯と粘膜の間に痛みの原因となる食べ物のかけらが入り込むことはなく、外れにくくなるのです。
さらに、All-on-4は入れ歯とは違い、人工歯と歯槽骨がつながっているため、歯槽骨に噛むときの刺激が伝わり骨吸収を防ぐというメリットもあります。
加えて、審美性に優れているという点もメリットです。
All-on-4のデメリット
All-on-4には多くのメリットがありますが、デメリットもあることに留意する必要があります。
どのようなデメリットがあるのか解説します。
All-on-4は4本のインプラントで12本の歯を支えますが、総入れ歯と同じで必ずすべての歯が無くなっていなければいけません。
例えば、上顎の歯が1～2本だけ残っている場合は、残った歯を抜歯する必要があります。
たとえ健康な歯であっても抜歯する必要があることはデメリットといえるでしょう。
ただし、残った歯が虫歯や歯周病に感染している場合は、抜歯することで口内環境が改善されます。
All-on-4は、全ての歯科医院で提供している治療ではありません。
インプラント治療を扱っている歯科医院でも、All-on-4は扱っていないということもあります。
All-on-4は、インプラント治療の一種であり、治療後も定期的にメンテナンスを受ける必要があります。
治療を受けられる歯科医院が遠ければ、定期的な通院が負担になるかもしれません。
All-on-4は自由診療となるため、保険診療とは異なり、治療費は全額自己負担となります。
元々の治療費も高額であることに加え、保険診療なら1～3割負担で済むところが、自由診療であるため全額自己負担しなければなりません。
インプラント治療をはじめ、歯科治療には自由診療に分類されて保険が適用されない治療はたくさんあります。
歯の被せものをセラミックなどにするのも、自由診療になります。
All-on-4は、健康状態によっては治療できないケースもあることに注意が必要です。
インプラントは4本埋入するだけですが、外科治療が必要となるため大掛かりです。
したがって、一定の条件に当てはまる人は、治療を受けることができません。
治療ができないケースとしては、以下のような条件があります。
顎の骨の成長が終わっていない未成年の場合
糖尿病や肝臓疾患などの全身疾患がある場合
禁煙ができない場合
アルコール依存症である場合
金属アレルギーである場合
残った天然歯の抜歯を避けたい場合
自宅でのセルフケアができない場合
顎の骨にインプラントを埋入するAll-on-4は、顎の骨の成長が終わっていないと将来的にズレが生じる可能性があります。
また、全身疾患があると手術の際にリスクが高まります。
ニコチンやアルコールは、治療結果に悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
インプラントにはチタンという金属を使用するため、金属アレルギーの反応が出にくいことが特徴です。
ただし、絶対に安全というわけではないため、事前のテストが必要となります。
まとめ
多数の歯を失ってしまった場合の治療には、All-on-4がおすすめです。
All-on-4は4本のインプラントで12本の歯を全体的に支える治療であるため、インプラントより費用は抑えられ、入れ歯よりもしっかりと人工歯を固定できます。
顎の骨にインプラントを埋入して固定するため、骨吸収も防ぐことが可能です。
しかし、自由診療になるため保険は適用されず、治療費は全額自己負担となります。
治療ができないケースも多いため、必ずできるというわけではありません。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。