インプラントは、インプラント体とアバットメント、上部構造という3つのパーツでできています。
インプラント体の素材は主にチタンです。
チタンには純チタンとチタン合金がありますが、なぜチタンを用いることが多いのでしょうか？
インプラント体に使われるチタンの特徴について解説します。
チタンの特徴は？
歯科治療ではさまざまな素材が用いられます。
中には金属の素材もあり、インプラント体に用いられるのはチタンという金属素材です。
チタンはさまざまな用途で使用される金属であり、日常でも目にする機会が多いでしょう。
チタンにはどのような特徴があるのか解説します。
チタンがインプラント体の素材として使用されているのは、生体親和性が高いからです。
生体親和性が高いと体が拒絶反応を示すことが少なく、金属アレルギーの反応も出にくいという特徴があります。
チタンの表面は酸化被膜で覆われていて安定した状態を保つため、周囲と結合しやすくなります。
人体と馴染みやすい無害な素材であり、金属アレルギーであっても使用することが可能です。
純チタンはほぼすべてがチタンでできていますが、チタン合金の場合は約90％がチタンで、残りの10％はパラジウムやアルミニウム、ニッケルなどです。
チタン合金であってもほとんどの成分がチタンであるため、チタンの特性が前面に出ています。
インプラント体の素材としてチタンを使用するのは、オッセインテグレーションという作用生じるからです。
骨にチタンを埋めこんだとき、インプラント体が骨と強力に結合する現象のことをいいます。
インプラント治療においては非常に重要な現象であり、インプラント技術の完成に大きく関わっているのです。
しかし、現象を得るためにはインプラント体にチタンを使用し続けざるを得ないため、治療費が高額になる原因の1つとなっています。
加えて、チタンを製錬して加工するには、非常に高度な技術が必要とされるのも、高額になる原因の1つです。
チタンは酸や塩分などに対しての耐食性が高く、錆びることがない金属とも呼ばれています。
口腔内はさまざまなものが通るうえに湿度が高く、腐食しやすい条件がそろっているため、耐食性が高いというのは非常に重要なポイントといえるでしょう。
チタンは長期間安定した状態を保つため、なかなか劣化しないのも特徴の1つといえます。
酸素との結合力が高いチタンは、表面に酸化被膜を形成して酸化を食い止める働きがあり、環境によってはプラチナに次ぐ耐食性があるのです。
アルミニウムなどの軽量金属よりさらに軽量でありながら、強度が高いのもチタンの特徴といえます。
軽量で丈夫なため、インプラント体を埋入する際は余分な負担がなく、人工の歯もしっかりとできあがるのです。
加工が容易な金属でデザインを精密に仕上げることができるため、口内環境に応じた最適な形状のインプラント体の製造が可能です。
フィット感が高く、治療の成功率も向上するうえに軽量であるため、咬合時は快適に噛むことができるようになるでしょう。
チタンでできたインプラントは、適切にケアをしていれば長期間使用することができるという特徴があります。
摩耗や疲労にも耐えられるため、一度埋入すると数十年機能を維持することが期待されるのです。
チタンのメリットとデメリット
チタンは金属アレルギーを起こしにくい金属であり、薄くなっても高強度が維持できるというメリットもあります。
金属の中でもかなり軽量な素材で、インプラント体として埋入していても違和感は少ないでしょう。
インプラント治療は、チタン製のインプラント体があって初めて成り立つともいわれます。
それほど、チタンは重要な役割を担っているのです。
なお、チタンであれば絶対に金属アレルギーが起こらないというわけではなく、ごくまれにアレルギー反応が起こるケースもあります。
金属アレルギーの可能性がある方は、事前にパッチテストを受けて問題ないか確認しておきましょう。
インプラント体は、チタン以外にもジルコニアやセラミックなどで作られたものがありますが、ジルコニアインプラントは日本では認可されていません。
また、セラミックインプラントは金属アレルギーの心配がないものの、チタンと比べて低強度という欠点があります。
ほとんどの場合、インプラント体はチタン製のものしか取り扱っていないため、他の素材を希望する場合、扱っている歯科医院は限定されるでしょう。
まとめ
インプラント体は主に純チタンやチタン合金でできています。
なぜなら、チタンは人体と馴染みやすいという特徴があるからです。
顎の骨と強く結合する作用があり、人体から異物として判断されにくいため、自然な形で骨と結合してしっかりと固定されます。
また、耐食性や耐摩耗性なども高く、耐久性に優れていて何十年も使用できるケースがあるほどで、一度治療したら長く使えるというのも特徴です。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。