虫歯治療

【東京都品川区五反田の歯医者】歯科医療に欠かせない「ガッタパーチャ」を知って欲しい

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歯科治療の世界には、日常生活ではなじみのない名称の素材が数多く存在します。
例えば「ガッタパーチャ」という素材も、一般的にはその名称や用途がほとんど知られていないでしょう。
現在は主に根管治療に欠かせない素材として活躍していますが、かつては日常生活のさまざまな場面で重宝され、広く流通していました。
今回は、ガッタパーチャの歩んできた歴史を紐解きながら、そのメリットやデメリットについて解説します。
さらに、ガッタパーチャの弱点を補うような、より高機能な選択肢も登場していますので、そちらもあわせて紹介します。

ガッタパーチャとは?

ガッタパーチャは根管治療に欠かせない素材ですが、一般にはなじみの薄い名称です。
医学の世界で一般的なドイツ語や英語由来の言葉ではなく、実はマレー語で「ゴムの木」を意味します。
現地での呼び名は「グッタペルカ」ですが、「gutta percha」を英語読みしたガッタパーチャという名称が広く使われるようになりました。
その名のとおり、マレーシア原産のゴムの木から採取された天然ゴムを原料としています。

この素材に光が当たったのは1850年頃とかなり古く、学会で発表されたのは1843年のことでした。
東インド会社の軍医による紹介を経て商品化が進み、1856年に初めて根管充填剤として使用されたのです。
当初は天然の樹脂を精製したものが詰められていました。
以来、今日に至るまで、歯科治療における標準的な素材として不動の地位を築いています。

歯科で使われ始めたのと時を同じくして、ガッタパーチャは意外な分野でも活用されるようになりました。
代表的なのがゴルフボールで、1845年には樹液を固めて作られた「ガッタパーチャボール」が登場しています。
後に主原料としての座は譲るものの、1990年代まではボールのカバー素材としてその役割をつないでいたのです。
工業分野でも絶縁性と耐水性が重宝され、海底ケーブルの被覆材に採用されたほか、カメラの外装材としても利用されるなど、近代産業を支える素材として幅広い分野で貢献してきました。

根管充填剤として使用する棒状の「ガッタパーチャポイント」は、単体では変質しやすく脆いというガッタパーチャの弱点をカバーするために、複数の素材を混合して作られています。
配合比率はメーカーごとに多少の差はありますが、主成分の酸化亜鉛が約70%と大部分を占め、名称の由来でもあるガッタパーチャは20%ほどしか含まれていないのが標準的な構成です。
そこに硫酸バリウムなどを加えて、精密な根管治療を可能とする現在の形がつくられているのです。

ガッタパーチャのメリットとデメリット

五反田駅前歯医者 
古くから根管治療を支えてきたガッタパーチャが、今もなお現役で使われ続けているのは、非常に優れた利点があるからにほかなりません。
もちろん、欠点が皆無というわけではありませんが、それを差し引いてもなお選ばれるのには、確かな理由があります。
では、長年スタンダードな根管充填剤であり続けるガッタパーチャには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

最大のメリットとしてまず挙げられるのが、生体親和性の高さです。
そもそも根管充填剤は、体内に留まるものとしてさまざまな条件をクリアしなければなりません。
たとえば、変形や腐敗を起こさないこと、周囲の組織を刺激せず歯に着色しないこと、そして細菌の侵入を許さない確かな封鎖性などが挙げられます。

また、レントゲンでの視認性や除去のしやすさ、持続的な殺菌力、そして高い生体親和性も非常に重要な条件です。
これらをクリアした上で、ガッタパーチャは特に「生体親和性」に優れた素材として知られています。
文字どおり「体へのなじみの良さ」を指す言葉ですが、どうしてこれが重要なのでしょうか?

通常、人間の体は異物が侵入すると拒絶反応を起こす仕組みになっていますが、生体親和性が高いガッタパーチャは、そうした反応を抑えて体の一部として受け入れられる強みを持っているのです。
そのため、アレルギーや炎症反応を起こす心配がほとんどありません。
腐敗・溶解しにくく、熱で形を自由に変えられるため、複雑な根管内にもスムーズになじみます。
シーラーと呼ばれるセメントと組み合わせることで密封性も高まり、必要に応じて後から除去するのも難しくありません。
他の根管充填剤と比べて治療コストを抑えられる点も、大きな魅力の1つです。

一方、デメリットらしいデメリットは見当たりませんが、強いていうなら「持続的な殺菌力」を持たない点は数少ない弱点といえるかもしれません。
もちろん、殺菌作用や消毒作用を最重視するのであれば、別の素材が候補に挙がります。
しかし、他の素材と比べてもメリットのバランスが非常によく、総合力においてガッタパーチャを上回る充填剤はまだ見つかっていません。
数多くのメリットと、この唯一といえる弱点を天秤にかけても、依然としてガッタパーチャが最も信頼できる選択肢であることに変わりはないのです。
非の打ち所がない理想の素材こそありませんが、必要条件のほとんどを高いレベルで網羅したガッタパーチャは、やはり根管充填剤として非常に完成度の高い素材だといえるでしょう。

近年増えているMTAセメントについて

非常に完成度の高い根管充填剤であるガッタパーチャにも、時にその座を譲る場面があります。
近年、特に存在感を高めているのが、約30年前に誕生した「MTAセメント」です。
使用頻度が上がるにつれて耳にする機会も増えていますが、このMTAセメントという名称はもともと特定の製品名に由来しており、正式には「バイオセラミックセメント」というカテゴリーに分類される素材です。

MTAセメントが多用される背景には、その圧倒的な封鎖性と殺菌作用があります。
例えば、歯根に穴が開いたり根の先端が形を失っていたりする場合、ガッタパーチャでは隙間なく密閉するのが困難なため、細菌の侵入を防ぎきれません。
その結果、痛みや骨の吸収を引き起こし、抜歯を余儀なくされることもありました。
しかし、MTAセメントであれば、精密な密閉によって高いレベルで細菌をシャットアウトし、保存が困難な歯を救う可能性を広げられます。
また、大半の細菌を死滅させる強アルカリ性の殺菌効果や湿気に影響されない硬化特性、体に優しい生体親和性といった数々の特性が相まって、歯の寿命を延ばす大きな助けとなっているのです。

ただし、保険診療のガッタパーチャとは違い、MTAセメントは自由診療のため治療費が高額になるという側面があります。
特定の難しい症例ではMTAセメントが威力を発揮しますが、通常の症例であれば、多くの場合は標準的なガッタパーチャによる治療で十分に対応可能です。

まとめ

マレー語でゴムの木を意味するガッタパーチャは、樹脂を棒状に加工したガッタパーチャポイントとして治療に用いられます。
生体親和性に優れ、保険適用により治療コストを抑えられるメリットがある反面、持続的な殺菌・消毒作用を持たないという数少ないデメリットがあります。
この欠点を補うためにMTAセメントを使用するケースも増えていますが、こちらは自由診療であることから、コスト面での負担が大きくなる点に注意が必要です。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。