ご自身の歯並びをきれいにしたいと願いつつも、矯正器具の見た目を理由に治療をためらってしまうケースは珍しくありません。
かつて主流だった金属製のワイヤー装置が目立つというイメージから、治療へ一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、現在は口元の印象を損なわずに歯並びを整えるための選択肢がしっかりと存在します。
今回は、外見を気にする方に適した3つの目立たない矯正治療を取り上げ、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
3つの目立たない矯正
多くの人が抱く矯正治療のイメージは、歯面に金属のワイヤーやブラケットを連ねた審美性の低いスタイルかもしれません。
この見た目を敬遠して治療をためらう声もよく聞かれますが、現代の歯科医療には周囲の視線を気にせずに治療できる方法がきちんと用意されています。
なかでも代表的な手法が、インビザラインに代表される透明なプラスチック製のマウスピース矯正です。
ご自身の歯に合わせて作られた「アライナー」と呼ばれる透明な装置を、7~14日ほどの間隔で新しいものへ自ら交換しながら治療を進めていきます。
最大のメリットは必要に応じて取り外せる点にあり、食事や毎日の歯磨きをいつも通り行うことが可能です。
ただし、十分な効果を得るためにも1日20~22時間以上の着用が求められるため、徹底した自己管理が欠かせません。
このほかに、従来のワイヤー装置を歯の裏側に配置する「裏側矯正」という選択肢も存在します。
こちらは正面から見たときには装置が完全に死角に入るため、誰にも気づかれずに歯並びを整えたい方にとっては最高の選択肢といえるでしょう。
ただし、どうしても装置が舌へ触れやすくなるため、慣れるまでは話しづらかったり、鏡で見えにくい分だけ毎日の歯磨きが難しく感じられたりするかもしれません。
もし「ワイヤー矯正は目立つから嫌だけど、昔からある確実な方法で治療したい」とお考えであれば、器具の素材を目立ちにくくカモフラージュして治療を進めるスタイルもあります。
これは金属の代わりに歯の色に馴染む白や透明のセラミック、あるいはプラスチックのブラケットを貼り付け、その上で白いコーティングを施したワイヤーを通す仕組みです。
至近距離では器具の存在がわかるものの、ギラギラした金属感は一切なく、少し口を開けた程度では気づかれることはほとんどありません。
それぞれの治療法のメリット

見た目が気にならない矯正法にはマウスピース矯正、裏側矯正、カモフラージュされたワイヤー矯正の3種類があり、それぞれ審美性の高さ以外に独自のメリットを秘めています。
とりわけマウスピース矯正は、至近距離で対面しても周囲にほぼ気づかれない点が大きな魅力です。
非常に薄く透明な素材で作られているため、装着したまま会話を交わしても周りの人に気づかれることはまずないでしょう。
また、食事の際には装置を完全に取り外せるため、従来のワイヤー治療にありがちな食べ物の挟まりに悩まされずに済みます。
器具を外していつも通りのブラッシングやデンタルフロスによるケアが可能なことから、治療期間中の虫歯や歯周病のリスクを大幅に抑えることが可能です。
さらに、急激な負荷をかけずに少しずつ歯を移動させていくので痛みが抑えられるほか、金属の突起がないため口内炎に悩まされるリスクも極めて低くなります。
ほかに、あらかじめ数セットのマウスピースをまとめて受け取れるため、月1回の通院が必要なワイヤー矯正に比べて1.5~2ヶ月に1回程度の来院で済む点も便利です。
次に続く裏側矯正は、装置が歯の裏側に完全に隠れるため、よほど大きく口を開けない限りは他人に気づかれる可能性がゼロに近いという点が大きなメリットとして挙げられます。
結婚式や成人式、就職活動などの一大イベントを控えた大切な時期でも気兼ねなく自然な笑顔になれるため、前向きな気持ちで治療に取り組めるでしょう。
加えて、歯の裏側は常に唾液が循環していて自浄作用が高いため、表側に比べて虫歯菌が繁殖しにくく、トラブルが起きにくい環境が整っています。
装置の構造上、奥歯を固定源として前歯を内側に引っ張る力が働きやすいため、上顎前突や口ゴボをきれいに引っ込めたい方には特におすすめです。
裏側に器具を装着することから、治療が終わって装置を外す際に歯の表側のエナメル質を傷つける心配もありません。
最後に、目立ちにくいセラミックやプラスチック製の白や透明なブラケットと、白いコーティングを施したワイヤーを使う方法ですが、こちらはほぼ全ての症例に対応できるのが大きな強みです。
歯を3次元的に大きく動かせる仕組みはこれまでのワイヤー矯正と全く同じであるため、非常に高い万能性を発揮してくれるでしょう。
したがって、骨格的なアプローチを要する難症例や激しい叢生、抜歯を伴う大規模な移動といった、マウスピース治療では困難なケースでも確実な効果が期待できます。
いつでも絶え間なく力をかけ続けられるため、歯が動くスピードが早く治療期間が長びきにくいという特徴も見逃せません。
装置はクリニックでしっかり固定してもらう形をとるため、マウスピースのようにうっかり着け忘れて治療が遅れてしまう心配もゼロです。
また、裏側に装置がつかないため発音への影響はほぼない上に、裏側矯正と比べて治療の難易度が下がる分、費用を大幅に抑えることができます。
それぞれのデメリットについて
目立ちにくい矯正法にはそれぞれ異なるメリットがある反面、特有のデメリットも存在するため事前の注意が必要です。
例えばマウスピース矯正では毎日の徹底した自己管理が求められ、1日20~22時間以上という長時間の装着を守るため、食事や歯磨き以外のタイミングでは常に生活を共にする形になります。
もし外している時間が長くなるとシミュレーション通りに歯が移動せず、治療期間が延びたり装置を作り直したりすることになるでしょう。
また、飲食物に関するルールも存在し、装着したまま口にしていい飲み物は原則として水か冷たい無糖のお茶に限られ、糖分を含むジュースなどは隙間に入り込んで虫歯の原因になります。
さらにコーヒーや紅茶は装置を着色させ、熱い飲み物はプラスチックを変形させる恐れがあるため、注意しなければなりません。
このほか、骨格的な問題がある重度の受け口や出っ歯、大きく歯を移動させる必要がある重度の叢生などは、この方法での治療が難しく、かなり効率が悪くなってしまうケースもあることを知っておきましょう。
裏側矯正における代表的なデメリットが、発音への影響です。
装置が舌の自由な動きを邪魔してしまうため、治療初期は「サ行」「タ行」「ラ行」などの発音に苦労するケースも少なくありません
また、舌が常に金属の器具に触れることから、舌の側面が擦れてヒリヒリとした痛みを感じたり口内炎ができやすくなったりもします。
鏡を使っても自分の目で装置を直接確認できないため、歯磨きが非常に難しくなり、時間をかけて丁寧に磨く必要があります。
次に、白や透明のブラケットと白いワイヤーを用いた矯正法のデメリットとして挙げられるのは、間近では装置が見えてしまう点です。
どれほど目立たないようカモフラージュされていても、歯の表面に装置がつく構造上、1~2メートルの距離で向き合って会話をすると、矯正中であることが周囲に気づかれるケースがよくあります。
また、ブラケットやワイヤー自体は変色に強いものの、ワイヤーを固定するための小さなゴムは着色しやすいため食生活には注意が必要です。
カレーやキムチ、コーヒー、赤ワインといった色素の濃い飲食物を口にすることで、黄色や茶色に変色してしまうケースが珍しくありません。
これが装置全体の見た目を損なう原因につながることから、次回の調整日まで色の濃い食事をセーブするなどのほんの少しの工夫が役立ちます。
さらに、歯の表面に細かな器具が並ぶ構造上、どうしても食べカスが挟まりやすく、食後に鏡でチェックした際に引っかかったネギやゴマなどを見つけることも多いでしょう。
外出先での食事には特に気を配り、食後は速やかにうがいや歯磨きを済ませることが、お口の中をきれいな状態に保つコツと言えます。
まとめ
外見を気にせず歯並びを整える選択肢にはマウスピース矯正や裏側矯正、白や透明な器具とホワイトワイヤーを駆使したワイヤー治療が存在します。
審美性の高さという共通のメリットを持ちながらも、痛みが少ない、虫歯のリスクを抑えられる、幅広い症例に対応できるといった個々の長所が存在します。
一方で、必要となる自己管理のレベルや日常生活における注意点もそれぞれ異なるため、特徴を事前によく検討したうえで選択しなければなりません。
メリットとデメリットの双方を正しく理解したうえで、専門医と相談しながらご自身に最適な治療法を選ぶことが大切です。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。


