手軽に歯を白くできる手段として、市販のホワイトニングテープが広がっていますが、専門家の視点からは決しておすすめできるものではありません。
日本の法律に適合していない海外製品が出回っている恐れがあるほか、安全面や歯科医学的な観点からも多くのリスクとデメリットが潜んでいるためです。
今回は、どうして市販のホワイトニングテープが「論外」であり、避けるべき選択であると言えるのか、その理由をしっかりと解説します。
なぜ市販のホワイトテープは論外なのか?
市販のホワイトニングテープが推奨できない理由には、日本の法律による制限、海外製品のリスク、製品そのものの構造的な欠陥の3点が挙げられます。
国内で合法的に流通している製品には、歯を内側から漂白する成分を配合することが法律で禁止されているためです。
実際に使用できるのは主にポリリン酸ナトリウムなどで、これらは歯の表面に付着した着色汚れを落とす、あるいは再付着を防ぐための成分に過ぎません。
したがって、国内の市販テープで可能なのは表面のケアだけであり、加齢や遺伝による歯そのものの黄ばみを本来以上に白くすることは不可能です。
結果として満足のいく白さを得られないことから、SNSなどでは米国をはじめとする海外製の過酸化水素が配合された強力な製品がよく紹介されています。
しかし、専門知識のない個人が海外製のホワイトニングテープを取り寄せて使う行為には、大きなリスクが常につきまといます。
海外の市販テープには、日本の歯科医院で使用するレベル、あるいはそれを超えた高濃度な過酸化水素が含まれているものもあるためです。
このような高濃度の製品を安全に使用するためには、本来であれば歯科医師の管理のもとで行わなければなりません。
自己判断で使用すると、歯の神経に刺激を与えて水がしみたり、何もしなくてもズキズキと激しく痛んだりする知覚過敏を引き起こす恐れがあります。
また、テープ状のシートが扱いづらい形状であることも問題です。
個々の歯に合わせて精密に作られているわけではないため、薬剤が歯茎へべったりと付着してトラブルを招く懸念が否定できません。
高濃度の過酸化水素が触れると歯茎が白く変色してただれることがあり、最悪の場合は激しい炎症を起こして歯茎下がりを招く原因になるのです。
さらに、きれいな仕上がりを実現することが困難な点も見逃せないデメリットと言えます。
一見平らに見える歯の表面には細かな凹凸が存在し、歯と歯の間には深い溝もあるものです。
市販の平らなシートを自分で貼り付けるだけでは、歯の湾曲や隙間にぴったりと密着させることは不可能です。
結果として触れていた部分だけが白くなり、届かなかった溝や根元が黄色いまま残る斑点状の色ムラが高確率で発生し、笑顔になれないなどの悩みを抱えることになりかねません。
本当のホワイトニングの仕組み

市販のテープで表面をいくらケアしても効果を実感できない理由を解き明かすには、歯の構造と黄ばみのメカニズムについて理解を深めることが不可欠です。
歯は、外側を覆う透明なエナメル質と内側の黄色い象牙質の2層構造になっていますが、日本人は遺伝的にエナメル質が薄く、内側が透けて見えやすい傾向があります。
さらに、加齢とともにエナメル質が摩耗して薄くなる一方で象牙質の色は濃くなっていくため、年齢を重ねるにつれて黄ばみが進行してしまうのです。
このような黄ばみの原因は歯の内部にあるため、市販のテープや歯磨き粉をどれほど使用しても絶対に白くなりません。
また、これら内的要因とは別に、コーヒーや紅茶、チョコレートなどに含まれるポリフェノールが歯の表面のタンパク質と結びつくと、ステインと呼ばれる着色汚れに変化します。
タバコのヤニも歯に付着すると黄ばみを悪化させる大きな原因になるため、喫煙習慣のある方は特に着色汚れを溜め込みやすくなります。
このように変色した歯を本当の意味で白くするには、過酸化水素や過酸化尿素という、歯科医師や歯科衛生士などの免許を持つプロのみが扱える薬剤が不可欠です。
これらの成分が歯に浸透すると、酸素を発生させて内部にある着色色素を細かく分解し、無色化していきます。
さらにエナメル質の表面の構造を一時的に球状に変化させて光を乱反射させるため、内側の黄色い象牙質が目立たなくなり、抜けるような白さの歯に導く効果があるのです。
このプロセスを安全に進めつつ最大限に引き出すには、医療機関での専門家による処置が欠かせません。
安全にムラなく白い歯を手に入れるための最適な選択肢は、歯科医院での医療ホワイトニングです。
大きく分けて3つの方法がありますが、より早く効果を実感したいスピード重視の方にはオフィスホワイトニングが適しています。
すべての工程を歯科医師や歯科衛生士にお任せできるため、セルフケアのような負担が一切ありません。
事前に行うクリーニングによって歯石や汚れが徹底除去されることから、お口の健康にもつながるという見逃せないメリットもあります。
実際の施術では、歯茎を保護した上で高濃度の過酸化水素ジェルを歯に塗り、特殊な光を照射して薬剤を活性化させてから洗い流す工程を数回繰り返します。
1回約1時間の施術で目に見える効果を実感できる即効性が最大の魅力ですが、短時間で一気に白くすることから3ヶ月から半年ほどで少しずつ色戻りしてしまいます。
なお、費用は1回あたり15,000円~50,000円程度とやや高価ですが、重要なイベントなどを控えていてとにかく急いで歯を白くしたい方に最適な選択肢です。
一方、2つ目の方法であるホームホワイトニングは、歯科医院で専用のマウスピースを作製し、処方された低濃度の過酸化尿素を用いて、自宅で毎日1~2時間装着することで理想の白さを目指します。
クリニックで注意点の説明を受けて薬剤を持ち帰り、約2週間から1ヶ月間継続することで歯を少しずつ白くしていく流れです。
最大のメリットは圧倒的な持続性で、じっくり時間をかけて歯の奥深くまで薬剤を染み込ませるため、白さが1~2年と長持ちするのです。
自分専用に作ったマウスピースが完璧にフィットするため、色ムラを防ぎ、歯の隙間や根元まで均一にトーンアップできる点も魅力と言えます。
一度にすべての歯をケアできる利便性に加え、刺激の少ない薬剤を使用するため知覚過敏のトラブルが起きにくいという安心感もあります。
一方で、毎日欠かさず装着し、終わった後にマウスピースを洗うなどの自己管理の手間がかかることはデメリットです。
また、変化を実感するまで最低1~2週間ほど要するため、即効性を求める場合には少々もどかしく感じるかもしれません。
初期費用はマウスピース作製と最初の薬剤を合わせて20,000円から40,000円ほど必要ですが、2回目以降はジェルを1本数千円で追加するだけで継続できます。
3つ目のアプローチとなるのがデュアルホワイトニングで、オフィスとホームを同時に、あるいは交互に行う「両方のいいとこ取り」の方法です。
どちらか片方だけでは到達できない、まるで芸能人のような圧倒的な白さを目指すことができます。
即効性と持続性を兼ね備えているため、短期間で理想の白さを手に入れながら、その美しい状態を長く維持することが可能です。
ただし、両方を組み合わせるため費用が高くなりやすく、総額で50,000円~100,000円以上になってしまうケースが多々あります。
また、歯の内外からアプローチをかける分刺激も強くなるため、施術期間中は一時的に知覚過敏の症状が現れてしみやすくなる点には注意が必要です。
セルフホワイトニングの注意点
近年、街中でセルフホワイトニングやホワイトニングバーという施設をよく見かけるようになりました。
歯科医院より安価に利用できますが、仕組みを知らずに通うと思うような結果を得られずに後悔しかねません。
こうしたサロンには歯科医師が在籍していないため医療行為ができず、扱える薬剤も国内の市販品と同様に酸化チタンなどが主成分に限られているのが実態です。
施術も利用者が自分でLED光を当てることで、表面の着色汚れを浮かせて落とすだけのケアに留まり、歯を内側から漂白することはできません。
そのため、タバコのヤニやコーヒーによる一時的な汚れには効果があるものの、生まれ持った歯の色以上に白くすることは不可能です。
まとめ
市販のホワイトニングテープが「論外」と言われるのは、国内向けのものは法律上、歯を漂白する成分を配合できず、海外製のものには深刻な健康リスクが潜んでいるからです。
歯が黄ばんで見えるのは表面の着色汚れだけでなく、内側の象牙質が透けていることが主な原因であるため、過酸化水素などの医療用成分で漂白しない限り美しく白い歯には到達しません。
安全かつ確実な方法で理想の白い歯を手に入れたいのであれば、3つのいずれかの方法を用いて、医療ホワイトニングを受けるのが最もおすすめです。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。


